最終更新日:令和7年12月1日














『達磨・七転八起(だるま・ななころびやおき)』

 達磨(だるま)とか七転八起(ななころびやおき)というと、皆様は何を連想されるでしょうか。何といってもあの縁起(えんぎ)ものの張子(はりこ)=達磨さんの起き上がり小法師(こぼし)を思い出される方が多いと思います。この達磨の縁起ものは、中国禅の開祖・菩提達磨大師(ぼだいだるまだいし)の坐禅姿を形どったもので、中国より伝来し日本では江戸時代中頃から盛んに作られるようになったそうです。
 この達磨は下におもりが入れてあり、倒れてもすぐ起き上がるように設計されております。そして倒れないところから、病気や災厄に勝って福を増すといわれ、縁起のよい贈り物として、あるいは願いをかける福達磨として、人気が上昇し、皆様に知られるようになりました。
 よくこの達磨に書き添えられ七転八起という言葉は、文字通り七回転んでも八回起きあがるという意味ですね。仏教ではこの世に七難か八難があると示しますが、達磨大師が七難を除滅してものともしなかったことにあやかろうというのでしょうか。七転八起にならぬところに達磨の面目(めんもく)があるような気がします。
 また、達磨さんを八つ並べた八達磨(はちだるま)の額は、どんな困難にも負けないぞという私たちの気迫(きはく)端的(たんてき)に表現したものといえましょう。最近は達磨大師の「(かつ) ‼」にゴロ合わせをした(かつ)(喝)達磨(だるま)などというのも現れています。
 うちわにえがかれて暑気を吹き飛ばす達磨さん、雪の上にゴロゴロ転がされて、達磨太りになって愛嬌(あいきょう)を振りまく雪達磨、春夏秋冬いろいろなところへ引っ張り出されてご活躍の達磨大師ですが、いろんな達磨に接する度毎(たびごと)に大師様の教えを思い出し、力強く人生を送れれば幸いなことだと思います。
合掌
令和3年12月の言葉より

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