最終更新日:令和元年12月8日








第136回常光院投句箱開き
天 賞 秋の雷智慧のひかる法の庭 高橋 育生 作
地 賞 吹き晴れて古刹に聴くや秋の声 高橋 雅子 作
人 賞 夕蜩かつて兜太の散歩みち 田島 良生 作









奥様・山の神(おくさま・やまのかみ)
 社寺には奥之院の存在するところがありますね。これにならってか、江戸時代、身分の高い武士の屋敷では、主人以外の男性が入ることのできない奥まった建物を作り、ここに夫人を住まわせました。このことから奥に住む夫人を奥方様、奥様と呼ぶようになり、その呼称が一般に広がり、他人の夫人を敬って奥様と言う習慣が生まれたようです。
 現代の奥様達は、奥になど納まっていないで表に姿を現すばかりか、積極的に外に出るのが当たり前のようになりました。中には外にばかり出ていて、奥様の呼称よりそとさま(€・・・・)の方がピッタリと思われる夫人も多くなりました。
 では、奥様のことを山の神とも言うのはどうしてでしょうか?いろは歌を思い出してみてください。「うえのおくやまけふこえて・・・」。
 そうですね。やま(・・)(かみ)にはおく(・・)があります。(かみ)(かみ)をひっかけた言葉あそびですが、面白いと思いませんか。もちろん本物の山の神は山を支配する神様で、山の動植物にその影響を与えます。
 昔、農家では、この神様が春になると山を降りて田んぼに宿り、秋にはまた山にお帰りになると考えました。今でも田んぼのことをヤマと言ったり、田んぼの神様を山の神様と言ったりすることから、田んぼの神様と山の神様が同一神であることは容易に想像できましょう。春と秋にはおはぎやもちを供えてこの神様を送迎する民間信仰も、今に伝えられています。またこの神様に豊受大神(とようけのおおかみ)とか大山祇神(おおやまつみのかみ)という具体的なお名前をつけてお祀りする神社がありますが、一般的には(やしろ)を作らず、単に田の神、山の神として敬っていることが多いようです。いずれにしても山の神は動植物を(はぐく)む有り難い神様です。
 各家庭の山の神=奥様も、子宝を育み、家庭に食事を与える有り難い存在です。山の神のご託宣(口やかましい奥さん)をよく聞いて、豊かな家庭をエンジョイすることにいたしましょう。


合 掌
令和元年12月1日

これまでの『今月のことば』はこちらからどうぞ

申込はこちらから