最終更新日:平成31年4月1日







聖域・聖典(せいいき・せいてん)

 「この法律に聖域はない」などと誰かが発言していましたが、きっと≪例外は認めない≫と言いたかったのでしょう。
 辞書で聖域を引きますと、①戦火などを及ぼしてはならない地域 ②問題として取り上げてはならない事柄 等と出てきます。その程度の解釈なら、前のような発言が出てくるのは当然かもしれません。
 本来の聖域とはもちろん、清浄で尊い境地、言語でいうニルヴァーナ(さとり)の世界を指す語です。この世界は、凡人が入り込むすきまのない地域であり、凡人が如何ともしがたい聖そのものしかありません。

 仏教教団は、この聖域(仏教読みではショウイキ)にあこがれ、聖域に住む人ブッダになることを目標とする人々の集まりと言えるでしょう。聖域に住む人を聖人(ショウニン)とも呼んでいますが、この聖人も時代とともに使い方が変化してきたようです。仏教内部でも、上人より更に尊い人ということで、宗祖などを聖人(親鸞聖人等)と尊称しています。
 おそれおおいことですが、お釈迦さまのように、ブッダの列に加わらんと修行するのが仏教徒であり、史上、聖域に達した方々もおられるということです。
 また、この聖人達の残された書物を聖典といいます。経典と言えばいわゆるお経のみを指しますが、聖典とは経・律・論の三蔵全体を指す言葉といえましょう。私たちは仏教聖典によって精進する必要があるのです。

 とにかく、聖とは仏さまとお悟りに関する語でした。他の宗教や政治家がこれを借用するのはかまいませんが、聖域にあらざる聖域があったり、聖典にあらざる聖典があったり、はては聖人を名乗るペテン師が出たりすることのないよう、願いたいとおもいます。
合 掌
平成31年4月1日

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