最終更新日:令和7年11月4日








『自業自得(じごうじとく)』

 「こんな目にあうのも自業自得(じごうじとく)だ」などと使い、自分の業は自分でその(むく)いを受けるという意味ですね。
 (ごう)とは、人間が()す行為のことです。すなわち、体での動作、口での言葉、心に思う考えの三つをさし、これらを身口意(しんくい)三業(さんごう)と言います。この身口意の三業は因果関係とつながっていて、無限の過去から無限の未来へと伸びています。そして悪い業が原因となれば悪い結果、善い業が原因となれば善い結果がその報いとなり、輪廻(りんね)してゆくわけです。
 経典によると、私たちがその報いを受ける時期には三つあり、すぐ受ける場合、しばらくして受ける場合、忘れた頃受ける場合とがあります。酒を飲むとすぐ赤くなり、飲酒運転で免停なんていうのは第一の例でしょう。また、歯を磨かないでいて虫歯になったり、若い頃の不節制が年老いてからたたったりするのは、第二、第三の例でしょう。この世でやったことの報いはこの世で受ける。この世で受けなければあの世で受ける。あの世で受けなければ、さらに次の世で受けるという風に、引き伸ばして考えることもできます。とにかくいずれは、善業、悪業の報いを受けなければならないのですから、前後を考えないでバカなことをしでかして、「うまくいった」などと、得々(とくとく)としていると後で毒を取られることになります。この世で好き勝手わがままに生きていては、あの世でとられる毒は、どんなにひどいでしょう。
 善い報いを受けるためには、こうして元気に生きているうちに、ぜひ良いことを積み重ねておきましょう。そう、積立貯金は、後で受ける程たくさんのお金となっています。
合掌
令和3年11月の言葉より

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